2016年5月

資格なし

伊庭君の記念すべき初勝利に浸る間もなく、荷物の固めてあるスペースにもどり、バンテージを巻きトランクスに履き

替える。

待機場所にいるべき時なので、伊庭君にキックミットを持ってもらい10発ほど蹴りやパンチを叩き込み、あわただしく待機

のイスにすわり防具を着ける。

 

バタバタしてたこともあるんだろうが、いつものように緊張感が襲ってこない。

たった一戦の、デビュー戦であり結果的に引退試合でもあったプロ戦はもちろん、それまで何十回とやってきたアマ戦

も得も言われぬ緊張感が襲ってきた。

息を飲み込むにもヒリヒリとした痛みを伴うような。

リングに上がっても足が地につかないような。

 

あのイヤな緊張感がない。

しかし独特の高揚感もない。

数分間ののちにレフェリーに手を上げられ勝ち名乗りを受けるイメージがわいてこない。

そんな場面を思い描くこともない。

ただ淡々と、平板な時が過ぎて行く。

高校二年生の午後の世界史の授業のように。

 

私の記憶が確かならば、始まって3、40秒後におそらくパンチでちょっと腰が落ちてダウン。

その後相手の首相撲からの膝が金的に入りしばしのインターバル。

再開後、しばらくして5、6発(もっとかもしれない)パンチをまとめられスタンディングダウンでアウト。

この判断にまったく不満はなかったが、驚いたのが終了タイム。

なんと55秒。

私の感覚ではあと少しでゴングだと思ってたのでショックだった。

 

映像を見ればおそらく酷いものだろう。

まったくと言っていいほど体も動いてないはずだ。

「オヤジキック」などの下限年齢を設けている大会が存在する理由が今さらながらわかる。

寂しいがこれが現実だ。

こんなところに私が出てくるのは、90近くにもなって政界や財界から引退しない、いわゆる「老害」なのかもしれな

い。

 

かつてはただただキックボクシングがしたくてリングに上がった。

もちろん「勝ち」を意識して臨んだ。

勝ちを意識すれば胸の上が重く、喉がヒリついた。

それら日常にない様々な感情が私を包み込んだ。

今はない。

 

今は、リングに上がる理由を無理やりこじつけるのである。

健康のためだとか、年齢に抗うだとか、ひょっとしたらなんら売りもののないジム会長として耳目を引こうという意識

もあるかも。

かつては純粋に相手に勝ちたいと思ってリングに立っていた。

 

「老い」とは肉体や頭脳の衰えが真っ先に浮かぶ。

しかし案外、気持ちや感情、感性が真っ先に衰えるように思える。

少なくとも私の場合は。

 

歓び

昨日のアマ大会「問答無用」、無事終了しました。

 

大会が無事終了してというだけで、私はそうではありませんでした。

1Rに2度のスタンディングダウンをとられ、わずか55秒でTKO負けを喫してしまいました。

2度目のダウンは5、6発のパンチをまとめられたのですが、おそらく最後の右フックが残した左側頭部とも後頭部とも言

える部分に鈍い痛みがへばりついてました。

30日15時現在、かなりマシになりましたが、まだウロウロしてます。

早よ帰れ!

このため昨日は酒は一切飲んでません。

今夜はどうかな。

私の試合に関しては明日書きます。

今日は、一緒に出た伊庭君について。

 

入会して約一年。

自宅がジムから少し遠いこともあって、ほとんど土日曜日くらいしか練習に来れない。

口数が多いタイプではないが、アドバイスを受け入れ黙々と練習するタイプである。

動きは決してなめらかではないが、努力を怠らない。

仕事を第一に、キックボクシングは趣味としての位置づけであろうが、その中で勝負事として勝ちを(相手にだけでは

なく自分にも)目指しているタイプに映る。

こういう人間を応援しなくてどうする。

 

伊庭君、アマ大会は昨日が二回目。

ただし一回目に二戦している。

半年ほど前に一度出たが、その時に二敗。

特に二戦目は一戦目の疲れでヘロヘロでした。

デビューでの二敗にもめげず、二度目のチャレンジ。

73Kg以下のミドル級でエントリーしたが、昨日の計量は上下のジャージ着用のままでなんと70Kgを優に切っていた。

次は67Kg以下のウェルターを狙おう。

 

1戦目。

真門伊藤道場の選手。

たまに飲む伊藤会長のお弟子さんとの対戦は感慨深い。

1R開始。

年齢で5歳以上若い相手は勢いにまかせて前に出てくる。

パワフルだ。

それに押されるように後退するが、途中からペースが急にダウンする。

伊庭が押し戻しだす。

ついにパンチでスタンディングダウンをうばう。

 

2Rもスタミナ差で似たような展開。

結局ダウンの差を維持して伊庭の勝ち。

グダグダと言えば言える試合だったが、両者気持ちの乗ったアマチュアらしい面白い試合だった。

 

中に5戦を挟んで2戦目。

対人トレイナーが多く在籍するジムの選手で、ヘビー級から転向した選手だ。

他の出場選手を見ても、基本がしっかりしておりレベルは高い。

伊庭には失礼だが、勝つのは難しいだろうと思えた。

 

やはり、ひとまわり大きく見える相手選手はそのテクニックも洗練されている。

力任せに振り回すのではなく、的確に飛んでくるパンチと蹴り。

しかしその中にも時折伊庭のいいパンチ、蹴りヒットする。

結局1Rに一度、スリップ気味のダウン。

2Rに2度のスタンディングダウンをとられ(2度目は蹴りがファウルカップをかすめ立ちすくんだだけだった)、試合を

止められた。

 

しかし内容としては1戦目よりはるかに良かった。

あまり感情を外に出すタイプではないが、その分深奥で歓びをかみしめていたことだろう。

小さなトロフィーは大きな宝になったはずだ。

おめでとう。

一夜漬け

いよいよ明日に迫りました。

と言ってもアマキック大会なんですが。

大阪でのテツジム主催の問答無用。

Dropoutからは私と2回目出場の伊庭君が出ます。

 

伊庭君は仕事の忙しい中、時間作って週に1、2回の練習をこなしてますが、皆様ご存じのとおり私はまったくと言って

もいい(?)状態です。

どん冷えに1Rくらいミット持ってもらったくらいかな、対人練習は。

もうここまで来てしまったからしょうがない。

ぶっつけ本番の感じで臨むしか。

体重はなんとかクリアできそうなので。

 

相手はN-fieldの37歳の安達選手だそうです。

アマ戦績は4戦2勝1敗1分けだそうで、なかなかの強豪。

キャリア(テクニックとは言いません)の私か若さ(スタミナ)の安達選手か。

明日の今頃には判明してます。

 

明日以降へたよこが読めなくなる可能性もなきにしもあらず。

今回も無事生還が目標です。

 

 

未来志向

コミックソングの鬼才、嘉門達夫が今日のラジオでこの一週間の出来事をヒット曲の替え歌にして矢継ぎ早に歌ってま

した。

その中で強烈に印象に残ったのをふたつだけ。

 

(松田聖子の「赤いスイートピー」の替え歌で)

♪ マァスゾエ都知事がぁ泊ぉまる~

 高い~スィートルーム

 

(清酒「松竹梅」のCMソングの替え歌で)

♪ マスゾエェ~はダァメェ~

 正直じゃない!

 

オバマ大統領の広島訪問が実現し、原爆慰霊碑にも献花されたようです。

「核のない世界」というのは「絵にかいたような餅」のようにも思えますが、理想にを捨てずにゴールを目指しましょ

う。

 

その前日である昨夜、ふたつのニュース番組でそれぞれ異なるふたりの日本人が紹介されてました。

ひとりは91歳の被爆男性。

かくしゃくとされているその人はその経験から平和の大切さを訴えておられるひとり。

 

もう一人は79歳女性。

彼女も被爆者で、目に焼き付いたその刹那の記憶を地元高校の美術部員に話し、それを部員たちが絵にしている。

鬼気迫る油絵は、彼女の情念がそのまま現代のティーンエイジャーに乗り移ったかのようだ。

 

91歳男性、79歳女性にそれぞれインタビューしていたが、非常に興味深い答えが異口同音に返ってきた。

お二人とも、「謝罪とかそんなものは要らない。ただ今後はこんな悲惨な間違いを犯さず平和を築いてほしい」という

旨のものだった。

 

民間人の無差別殺人という、戦時国際法に抵触するとも思われる原爆投下で辛酸を舐めつくしたと思われるお二人。

その方々が謝罪などいいから、前を向いてくれという。

これこそが未来志向というものだろう。

 

ところが、である。

韓国の被爆者5人と被爆2世の計6人が、平和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑前で手を合わせられた。

これは在日の方々ではない。

訪日された韓国人だ。

もちろんそのことに異論はない。

しかし、その後代表者が「オバマ大統領は韓国人原爆被害者の慰霊碑を訪れることを『要求』する」とし、「韓国人原

爆被害者への謝罪と賠償は当然な責務」と言及したという。

 

お得意の「謝罪(と賠償)」だ。

いつも思うのだが、日韓関係に韓国大統領が言及するとき「未来志向」という言葉がしばしば登場する。

しかしその前に出てくるのは「慰安婦問題」であり「植民地支配」であり「戦後賠償」だ。

何度も蒸し返される。

未来志向の意味がわかっているのか、とさえ思う。

 

多大な犠牲者を出したにもかかわらず、米国に文句も言わないのは敗戦国ゆえの諦めか。

戦勝国米国が、敗戦国日本に押し付けた洗脳プログラム「WGIP」がいまだに絶大な効果を持続しているのか。

それとも畏敬の念から自然災害などに対する日本人特有の諦念のようなものがあるからなのか。

 

主張するのがいいのか悪いのかはわからない。

しかし狭い海ひとつ隔てただけの両国民はなぜかくも違うのか。

それとも私の知らないところで米国に謝罪や賠償を要求する極右の方なども存在するんでしょうか。

 

ちなみに在日韓国人の方で米国に「謝罪、賠償要求」を口にする人は現時点で私は知りません。

 

過去形

先日、電話があった。

母が出た。

 

なにかの売り込みのようだ。

母親がなにやら否定している。

「・・・間宮ですよ。どちらにおかけですか?」

「なにかの間違いではないですか?」とも。

どうやら相手は食い下がってきて、切らせてくれない様子。

高齢者を食い物にしている会社ならたまったものではない。

横から電話の子機を奪い取り、「お電話代わりました」と私が出た。

 

30代くらいの女性の声。

早口で一方的にまくしたてる感じ。

初めのうちは私が代わったことも気づいてなかったようだ。

 

改めて電話をかけてきたいきさつについて語りだした。

女性「京都にある会社で、お家(うち)にあるお着物をお見せいただいてたんですね・・」

私「以前、そちらにそういうものをお見せしたんですか?」

女性「いえ、まだ見せていただいてません」

私「いや、さっき見せたって言ったやないですか。ややこしい言い方せんといてください!」

強い口調で非難した。

女性「わかりました・・」

諦めて切りました。

 

どうやら古い着物を買い取って再販する会社なのだろう。

女性が「見せてもらってたんですね」と言うから母はてっきり間違い電話だと思ったのだ。

そんなものを見せた事実はないから。

 

あれであろう。

コンビニやファミレスで多様される「・・でよろしかったですか」式の過去形での言い回し。

かの女性は「多くの人に古着物をお見せいただいて、買い取らせてもらってる会社」だと言いたかったんだろうが、い

くらなんでもひどすぎる。

誤解を招くこと必至だ。

特に若い世代でない人は、こんな変な表現はしない。

なんで過去形で言うかなぁ。

Could やWouldのように英語式で過去形にしたら丁寧になるとでも?

なわけないわな。

 

通じる日本語を使っていただいたい。

貴女は会社を代表して電話してるんですよ。

 

 

 

こんなとこにも

昨日は大阪で行われた「HIGH SPEED EX」にご招待いただき、ジムを西尾トレイナーに任せて行ってきました。

 

京都野口ジム・野口会長と並んで観戦したのですが、オープニングファイトから熱戦が目白押し。

10代の選手も多く、かといって若さだけの力強さ、強引さだけに頼った戦いではなく、洗練されたファイトスタイルに

衝撃を受けました。

各試合の契約体重に相当する、ウチの選手を仮想でリングにあげ実際に目の前で動いている選手と戦わせてみる。

楽に勝てそうな選手などひとりもいない。

それどころか(勝ち目ない・・)と思わされる選手がいっぱいだ。

 

失礼ながら「HIGH SPEED」というメジャーとは言い難いイベントでこれだ。

私が最初にご招待受けて観戦した6、7年前はこんなにハイレベルではなかった気がする。

もちろん関西という限定された地域で、コツコツと興業を積み重ねてこられた乾プロデューサーの功績大だろう。

頭が下がります。

 

統一性とは程遠いキック界ならではか、隠れた逸材はいくらでもいるように思われる。

ウチの連中、うかうかしてられないぞ。

鉄面皮

マスゾエさん、カッコ悪いですね。

 

昨夜の記者会見、二時間以上だって?

あんななんの意味もない会見に?

パジャマとか下着にまで公金使っておいて「公正な第三者の方に・・」

そんなもんオレでもわかるわ!

 

ホンマに都民、国民をバカにしとるな。

今朝、中田元横浜市長が関西ローカルテレビで話してたけど、やっぱり東京都は他に比べて税収がふんだんにあるか

ら、危機感なくジャブジャブ使いよるそうだ。

そやけどいくらストックが豊富でもトヨタはそんなバカなことしないぞ。

やっぱり「民から吸い上げたカネ」的な感覚があるんじゃないのかね。

 

それともひとつ、同氏がいいこと言ってた。

米国の大統領選を例にとって、かの国は候補者を選ぶのに一年かける。

要するに、知名度がなくても時間をかけてその人の政治信条をアピールできる。

ところが日本はパッと始まりパッと終わる。

その人の政治観なんてほとんど伝わらない。

だから知名度のみが一番の武器になる。

なるほど。

これは米国、素晴らしい。

 

ちょっと前まで強気やったのに、今や蚊の鳴くような声のマスゾエ氏。

それでも知事にしがみつこうとする強靭な意志。

それだけは尊敬します。

 

私なら一日たりとも耐えられません。

性懲りもなく

この前の「オヤジキック」出場からほぼ四週間が過ぎようとしています。

 

明日でなんと還暦を迎える私でございます。

たとえば高校時代なんかに自分がそんな歳になるなんて、一瞬たりとも考えただろうか。

いや、それは理屈では考えたはずだ。

しかし現実的な映像を伴って考えたことはなかったように思う。

それが・・

 

29日、大阪で行われるテツジム主催アマ大会「問答無用」。

これに出場することにしました。

もちろん出場資格年齢がウン十歳以上という制限はありません。

出ようという理由は・・

 

オヤジキック終了後に書いたへたよこ。

それには私を3-0で下した龍騎選手のコメントを引用させていただきました。

「前回(間宮と)ドローだったので、勝てるよう練習しました!」というものだった。

そのコメントに私は驚き、また喜んだ。

こんな私でも選手として認めてくれる人が居ることに。

 

龍騎選手に借りを返したいと思った。

それはもちろん憎しみなどではない。

お互い50を過ぎて、不満足な動きながらも4分間戦い、汗を流した者同士の友情の再確認とでも言うか。

もし再々戦があるとすればおそらく11月。

それまでに自分なりの最高の状態に仕上げたい。

ゆえに今から準備しよう。

若い人とやって、たとえ負けてもそれは11月につながる筈。

よし、出よう!

 

とカッコいいこと書きましたが、一向に練習というものに取り組めません。

体重管理のためのロードワーク、若干の筋トレくらいはしていても。

まぁ、それも含めての実力です。

「練習ができない(する気になれない)」という実力。

 

こんなことを書くと「キックボクシングを舐めてるのか!」という声も聞こえてきそうだ。

反論の余地もありません。

 

しかし。

「キックボクシングは生涯スポーツたりうるか?」という壮大な人体実験サンプルと見ていただくことはできないで

しょうか。

 

「やっぱり危険すぎる」と判断されないような結果を残したい。

 

 

 

 

 

信濃路 その4

「鶯谷慕情」シリーズ、本日が最終です。

 

信濃路の奥から数えて四つ目か五つ目くらい。

だいたいその辺が私の定位置だ。

あまたある大衆メニューから2、3品をオーダーし、ビールの泡とともに至福の時を流し込む。

東京の、特殊と言えば言える地域で、それも昼間から関西人ひとり飲む酒は心地よい。

 

滋賀県の大規模ショッピングモールフードコートの中華料理ブースにも中国人が多数いる昨今。

この店にも中国人と思しきスタッフが多い。

男女を問わず。

数日前にこの店の作りについて書いたように、カウンターから厨房部分はうかがい知れない。

けれど4、5人居るであろうスタッフのほとんどは中国人と思われる。

あるスタッフに店長と思しき人が苦言を呈している。

聞くともなしに聞いていると、どうやらお客さんに対する接客、あるいはそれにつながる段取りについての注意のよう

だ。

あるいは心構えと言い換えてもいいかも知れない。

 

声から推定するに店長らしき人は40歳前後、なぜか細身の人物像がイメージされた。

「店長」は以前からかなり腹に据えかねるものがあったのだろう。

ちょっとクドイほどにそれは続く。

10数年前には社会主義経済のそれで「メイヨー(ないよ)」の一言で(バックヤードに商品があっても)客の相手をし

ない中国店員。

そのマインドはおいそれと変わるものではないのだろう。

中国では当たり前の接客、あるいは彼らにすれば日本流に合わせてるつもりの「おもてなし」も店長には気に入らない

のかも知れない。

店長は、気分を損ねられてある日集団で辞められるという最悪の事態が頭をよぎって、怒鳴りつけることもできない。

しかし、腹に据えかねた部分は吐き出さねばどうにも収まらない。

できる限り感情を抑えた、しかし接客業に携わる者としての最低限の矜持が口を閉ざさせることもない。

それが爆発するでもないが、間を置きながらも長々と続く「教育」につながったものと想像する。

果たして中国人スタッフに店長の想いは伝わったろうか。

 

日本人の職業意識の高さを見る思いだった。

ミシュランが調査に来る可能性は限りなく100%に近いだろうし、「吉田類の酒場放浪記」のロケ隊が来ることもないで

あろう店。

給料だって「おぉ~っ!」と感嘆する人があるとも思えない額だと思う。

そこの店長が、これも最高を求めてるとも思えない客層に対しての「最低限の接客」を求める。

中国人スタッフとの長い戦いは続くのだろう。

 

メニューの数はすこぶる多いが、取り立ててうまいというものがあるわけでもない。

高くはないが、安いともいえない値段設定。

しかしなんとも言えずこの店が好きだ。(もっとも周りにライバルがほとんどないのは大きいと思うが)

 

人生、三流のままで終わるであろう私にお似合いだ。

キャビアもフォアグラもトリュフもいらない。

そこそこの味の肴と酒、五時間話し続けても飽きない友がいれば最高。

いや、そういう友のいない酒は最低だ。

 

信濃路 その3

先日は久々のエロ路線に突入してしまいました。

どうしても少数のエロ支持派のために、定期的にサービスする必要がありますので、良識派の皆様には悪しからず。

 

そう、「地雷」という業界用語を説明するために、あんな川谷某のような文を書いてしまいました。

話をもどすと、その「地雷」ばかりを集めたという変なコンセプトの店が「鶯谷デッドボール」なのです。

もう私設宣伝員くらいに幾度となくこの店名をネット上に載せております。

同店から割引券の数枚くらい進呈してもらってもおかしくないくらい。

 

最初そのHPを見て驚きました。

バスト100以上、ウェスト90なんてのは当たり前。

年齢も50代、60代も珍しくない。

他の風俗店で不採用の女性も必ず採用というのが売り。

ただし厳密には

① 女性であること

② 身分証があること

③ 薬物使用してないこと

という不採用基準が存在するという。

本当に上記三つをクリアすれば誰でも採用らしいです。

 

まぁそのHPのにぎやかなはじけ方。

「風俗遊びをやめたい方、彼女・奥様の良さを再確認したい方、ぜひとも当店へ!」という旨のキャッチコピー。

私はそのセンスに嫉妬に近いものさえ感じました。

実際、会社の罰ゲームで新入社員なんかをここへ送り込む、などという荒行にも利用されているようです。

日本経済の根底を支えるのにこの店はいくらかは役だってたりして。

まぁ、これ以上同店のことを書くと過去と重複するのでやめときます。

 

さて、鶯谷デッドボールをきっかけにこの町に耽溺してしまった私です。

デッドボーから始まり、他店にも足を広げました。

しかし総じて言えるのは、この街には若い粉コは似合わないということだ。

東京の風俗事情はよく知らないが、若いコは渋谷とか新宿とかそんなところに多いのだろうか。

 

「熟女」とはだれが言い出したのか。

ふんわりとオブラートに包んではいるが、要するにおばさんだ。

場合によっては「おばあさん」と呼んでも差し支えないくらいのひとも熟女でカバーする。

確かに聞こえはいい。

 

そんな熟女と、いくばくかの日本銀行券と引き換えに一戦交えたあと、この「信濃路」に駆け込む。

昼ひなか、お天道様も高いうちからジャンパーなどを着込んだオジサマなどがビール瓶を前にご満悦だ。

この店にスーツ姿は似合わない。

競馬場や競艇場通い風がぴったりだ。

もちろん私もその範疇だ。

 

キリンの大瓶を前に、今しがた別れた熟女に想いをはせる。

36歳とか言ってたが、おそらく40をちょっと超えてるだろう。

HPの写真は極上だったがもちろんそのまま信じるほどの素人ではない。

実物の「七掛け」くらいだから良心的な店と言えるだろう。

プロポーションももちろんデータどおりではない。

年齢相応に脂が乗り、重力への抵抗を諦めつつあるかのような下腹や乳房も愛しく感じられる。

いたづらに移っていく花の色を惜しむ心情が切なく、また微笑ましい。

性格も悪くなかった。

 

成長期の子供をふたり抱え、亭主の収入も何年か前よりは減っている。

スーパーのパートよりは稼げて時間もある程度自由になるこの仕事はいい。

しかも世のオトコたちはまだ私をオンナとして見てくれる。

ふんだんにあるとは言い難い小遣いまではたいてくれて私の肌に挑んでくる。

ダンナよ、見損なうんじゃないよ。

ワタシもまだまだオンナで、家計を支えられるんだから・・

 

キリンのあとの冷酒の奥に、天使のいたずらっぽい笑顔が浮かんで消えた。

 

 

 

 

 

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