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へたのよこずき

思い切り

某企業の広報誌の記事から。

 

日本酒造りと言えば杜氏さんだが、この男の世界に飛び込んでくる女性がいる、と昨今チラホラ聴く。

日本酒好き(通とまでは言えない)の私としては興味深い記事だ。

京都の招徳酒造に勤務する大塚真帆さん。

 

神奈川で生まれ、中学時代に滋賀県へ。

その後京都大学へ進学し、大学院でコメの研究を続けているうち、研究より実際に身体を動かして酒造りをしたいと考

え、府内や滋賀県の「小さな」酒蔵に足を運び仕事を探す。

しかし当時は日本酒の低迷期で、「小さな」酒蔵は「人を雇う余裕はない」と断られ続ける。

 

そんな中、紹介されたのが伏見の招徳酒造。

ただし、事務職や分析作業。

それでも「酒造りに携われるなら・・」と入社。

 

自分の持ち分の仕事をこなしたうえで酒蔵に出向いても、昔気質の杜氏は何も説明してくれない。

しかし尋ねれば言葉少なに答えてくれた。

 

二年目、高齢のため杜氏が引退し、酒の元となる酒母造りがわかる人がいなくなり、彼女に白羽の矢が立つ。

コツコツつけていたメモが力を発揮する。

三年後、後任の杜氏も引退し社員だけでの酒造りが始まると、彼女が酒造りを仕切ることとなった。

 

酒造りだけにとどまらず、酒にまつわる新機軸も次々打ち出していく彼女。

「(新しくなった)中身と昔ながらのラベルがそぐわない」と、ラベルやボトルのデザインも手掛けた。

ラベルもなく、当然酒の銘柄も書いてない、淡いブルーに金魚の絵が描いてある「夏の戯れ」は斬新だ。

 

その他、6歳と4歳の子を持つワーキングママでもある彼女は働き方も変える。

「工夫すれば限られた時間の中でも酒の質を上げていくことはできるはず」と、仕込みのスケジュールも見直して残業

はしないで済むように。

酒造りの時期でも日曜は思い切って休みにしたというから、「手間暇かけて」というイメージが強い素人からすれば驚

きだ。

 

伝統を重んじ、尊重する彼女がいる一方で、そこに過剰にとらわれることなく合理化できるところはしていく彼女の姿

勢に衝撃を受けた。

いい意味で慣習を疑ったところに。

 

柔軟なものの見方。

大事です。

 

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